初恋の沼に沈んだ元婚約者が私に会う為に浮上してきました
私とエドガー様が合流出来たのは、夜も更けた頃でした。
エドガー・ナイ・バイロン。
灰色の髪と灰色の瞳をした『皇帝陛下の灰色狼』と、勇猛な通り名を持つ私の婚約者です。
彼は現在レオパード帝国近衛騎士団の副団長補佐の職に就いていらっしゃいます。
『婚約者の家族と交流を深めよ』と仰せになり、皇太子殿下ご本人が使節団の一員として、
エドガー様をお加えになったのです。
今回のカステード王国ご訪問の目的は、王女殿下との婚約披露ですので、私とエドガー様の婚約は関係者以外には、お知らせを控えさせていただきました。
それゆえ、夜会には堂々とふたりで入場することを見合せたのです。
私は義弟にパートナーをお願いして、会場に入りました。
エドガー様は皇太子殿下と王女殿下の後ろに従って入場し、先程までずっとお二人のお傍に立って控えられていました。
時折、私の方をご覧になり視線が合いますと、
皇太子殿下に耳打ちをされるのですが、その都度殿下は首を振っておられました。
(大丈夫です、私は待っています)
私のエールを込めた視線はエドガー様に届いていたのでしょうか。
エドガー・ナイ・バイロン。
灰色の髪と灰色の瞳をした『皇帝陛下の灰色狼』と、勇猛な通り名を持つ私の婚約者です。
彼は現在レオパード帝国近衛騎士団の副団長補佐の職に就いていらっしゃいます。
『婚約者の家族と交流を深めよ』と仰せになり、皇太子殿下ご本人が使節団の一員として、
エドガー様をお加えになったのです。
今回のカステード王国ご訪問の目的は、王女殿下との婚約披露ですので、私とエドガー様の婚約は関係者以外には、お知らせを控えさせていただきました。
それゆえ、夜会には堂々とふたりで入場することを見合せたのです。
私は義弟にパートナーをお願いして、会場に入りました。
エドガー様は皇太子殿下と王女殿下の後ろに従って入場し、先程までずっとお二人のお傍に立って控えられていました。
時折、私の方をご覧になり視線が合いますと、
皇太子殿下に耳打ちをされるのですが、その都度殿下は首を振っておられました。
(大丈夫です、私は待っています)
私のエールを込めた視線はエドガー様に届いていたのでしょうか。