初恋の沼に沈んだ元婚約者が私に会う為に浮上してきました
お前のその甘さが (元婚約者視点)
俺は耳を疑った。
聖女のように清らかで、女神のように儚げな
美しいクリスティン様は何処に行った?
(娘は私の言う通り、あの御方とふたりきりに
してくれたわ
あの御方はお仕事があって、おばさんの実家には行けなかったの
その事は邸の使用人から聞いていたから、その日にしたのよ
初めてふたりで夕食を食べて、お酒を飲んで、
お話しをしたの
相変わらず護衛の騎士が後ろに立っているので、あの御方を見つめたの
あの御方はしばらくの間、黙っていて……
ずっと額を押さえて、何だかご気分が悪そうに
見えたけれど……
それから、とうとう護衛に言ってくださったわ
『呼ぶまで顔を出すな、自宅で待機しろ』って)
クリスティン様の瞳は焦点が合ってなかった。
目の前の俺にも。
自分を庇って倒れている女にも。
その蒼い瞳は向けられていなかった。
(それから2日間あの御方は私を離さなかったわ
何度も何度も……凄く幸せで幸せで……
でも3日目の朝、あのおばさんが実家から帰ってくる日、私をあの護衛の男が拘束したの
訳がわからなかったけれど、私が皇弟邸の女主人になったら、絶対に処分してやると思ったわ)
聖女のように清らかで、女神のように儚げな
美しいクリスティン様は何処に行った?
(娘は私の言う通り、あの御方とふたりきりに
してくれたわ
あの御方はお仕事があって、おばさんの実家には行けなかったの
その事は邸の使用人から聞いていたから、その日にしたのよ
初めてふたりで夕食を食べて、お酒を飲んで、
お話しをしたの
相変わらず護衛の騎士が後ろに立っているので、あの御方を見つめたの
あの御方はしばらくの間、黙っていて……
ずっと額を押さえて、何だかご気分が悪そうに
見えたけれど……
それから、とうとう護衛に言ってくださったわ
『呼ぶまで顔を出すな、自宅で待機しろ』って)
クリスティン様の瞳は焦点が合ってなかった。
目の前の俺にも。
自分を庇って倒れている女にも。
その蒼い瞳は向けられていなかった。
(それから2日間あの御方は私を離さなかったわ
何度も何度も……凄く幸せで幸せで……
でも3日目の朝、あのおばさんが実家から帰ってくる日、私をあの護衛の男が拘束したの
訳がわからなかったけれど、私が皇弟邸の女主人になったら、絶対に処分してやると思ったわ)