初恋の沼に沈んだ元婚約者が私に会う為に浮上してきました
彼女は皇太子殿下のお気に入り (元婚約者視点)
シャル、すごく綺麗になってたな。
3年ぶりに会った彼女はすっきりとした大人の
女性になっていた。
見違えてしまった。
洗練されていた。
3年経つと女は変わる。
夜会の会場を出て王宮の長い廊下を歩いている。
王宮警備の第1騎士隊が廊下の両側に等間隔に
並び立ち、出口へひとりで向かう俺を無表情に
見送る。
俺は第1騎士隊に入りたかった。
彼等のまとう純白の隊服が、まぶしかった。
騎士団宿舎にいると、つい嘘をついてしまった。
宿舎の管理人にシャルからの伝言を受け取って
貰うように連絡しないといけない。
管理人は小遣い稼ぎに、退団した者宛の手紙や
伝言を隠れて受け取っている。
本当の事が言えない自分に腹が立った。
◇◇◇
シャルに会って約束を取り付けたと、マダムに
報告すると彼女は頷いた。
「これから帰るのよね?」
それは尋ねたと、いうよりは確認だった。
夜会が始まってから、それ程時間は経ってなかった。
婚約を発表した帝国の皇太子と王国の第1王女のファーストダンスが披露され、招待客達がダンスフロアに集まりだしていた。
目的が達成されたのだからこの場から去れと、
彼女は言いたいのだ。
抗うことは出来なかった。
それが約束だったからだ。
3年ぶりに会った彼女はすっきりとした大人の
女性になっていた。
見違えてしまった。
洗練されていた。
3年経つと女は変わる。
夜会の会場を出て王宮の長い廊下を歩いている。
王宮警備の第1騎士隊が廊下の両側に等間隔に
並び立ち、出口へひとりで向かう俺を無表情に
見送る。
俺は第1騎士隊に入りたかった。
彼等のまとう純白の隊服が、まぶしかった。
騎士団宿舎にいると、つい嘘をついてしまった。
宿舎の管理人にシャルからの伝言を受け取って
貰うように連絡しないといけない。
管理人は小遣い稼ぎに、退団した者宛の手紙や
伝言を隠れて受け取っている。
本当の事が言えない自分に腹が立った。
◇◇◇
シャルに会って約束を取り付けたと、マダムに
報告すると彼女は頷いた。
「これから帰るのよね?」
それは尋ねたと、いうよりは確認だった。
夜会が始まってから、それ程時間は経ってなかった。
婚約を発表した帝国の皇太子と王国の第1王女のファーストダンスが披露され、招待客達がダンスフロアに集まりだしていた。
目的が達成されたのだからこの場から去れと、
彼女は言いたいのだ。
抗うことは出来なかった。
それが約束だったからだ。