初恋の沼に沈んだ元婚約者が私に会う為に浮上してきました
そんな内容の絵本があるのだと、幼いシャルが
教えてくれた。
絵本に興味のない俺は、いつもするように曖昧に微笑みながら適当に流した。
シャルはずっと俺の側で、俺の事を見ていてくれていたのに。
家庭教師から優秀な兄達と比べられて、むしゃくしゃしてた俺を気遣ってくれたのは、母ではなくシャルだった。
俺がいい加減に言った言葉を信じて、動いてくれた。
彼女が望んだ通りに婚約してやったのだから、
それが当たり前だと思っていた。
シャルの父親がガルテン伯爵家の後継に欲しかったのは、次兄のディランだとわかっていた。
ディランもシャルを望んでいた。
長男のアクセルと次男のディランは仲が良かったが、ふたりとも俺に対しては複雑な思いを持っているようだった。
母が自分に似た俺を溺愛するのは俺のせいじゃない。
だが兄達は実の弟である俺よりも、幼馴染みのシャルを可愛がった。
教えてくれた。
絵本に興味のない俺は、いつもするように曖昧に微笑みながら適当に流した。
シャルはずっと俺の側で、俺の事を見ていてくれていたのに。
家庭教師から優秀な兄達と比べられて、むしゃくしゃしてた俺を気遣ってくれたのは、母ではなくシャルだった。
俺がいい加減に言った言葉を信じて、動いてくれた。
彼女が望んだ通りに婚約してやったのだから、
それが当たり前だと思っていた。
シャルの父親がガルテン伯爵家の後継に欲しかったのは、次兄のディランだとわかっていた。
ディランもシャルを望んでいた。
長男のアクセルと次男のディランは仲が良かったが、ふたりとも俺に対しては複雑な思いを持っているようだった。
母が自分に似た俺を溺愛するのは俺のせいじゃない。
だが兄達は実の弟である俺よりも、幼馴染みのシャルを可愛がった。