初恋の沼に沈んだ元婚約者が私に会う為に浮上してきました
腰かけとは、私との結婚のせいで騎士隊内で軽ろんじられていると、いう事でしょうか。
ですが、どうして私がこのような言葉を彼から
投げつけられなくてはいけないのでしょうか……


 ◇◇◇


2年で騎士団をやめる、そう決められたのは
ノーマン様ご自身です。


それも本来ならば将来の為に高等部では領地経営科に進むようにと、私のお父様もノーマン様の
ご両親も望まれていたのです。

それなのにノーマン様は夢であった騎士科で学びたいと、急に言い出されたのです。
卒園後はすぐにお父様の元でガルテン領の経営を学ぶから、と。

両親達に訴えるより事前に、私はノーマン様に
協力する事をお願いされました。


妻は夫の夢を支えること。

ノーマン様の夢を叶えて差し上げたくて、私は
説得のサポートを致しました。


「私が領地経営科に進みますので、ノーマン様をどうか騎士科に」


かつては男性しか進めなかった領地経営科ですが数年前から我が家と同様の、後継男子のおられない家門のご令嬢が学ばれるようになっていました。

領地経営科の授業は大変厳しいと有名でしたので私のような者が進学しても卒園まで続けられるのか、不安しかありませんでしたが。
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