初恋の沼に沈んだ元婚約者が私に会う為に浮上してきました

夢の続きが見たいんだ

それではお話が違うと、私は泣きたくなりました。

(卒園したら、お父様に付いて経営を学ぶと約束したのに!)

ご家族にもご相談なく入団試験を受けたのだと、涼しい顔で仰るノーマン様に私は頭を抱えました。


「君が卒園したら、すぐに結婚になるだろう?
 それまで夢の続きを見たいんだ
 2年だけお待ち下さるよう、君からお父上に
お願いして欲しいんだけど」

夢という言葉を前面に出したノーマン様に懇願され頭を下げられて、私は頷くしかありませんでした。
貴方の夢を支えると、前回言ってしまっていました。


内心ではお父様がどんなにお怒りになるだろうと恐ろしくてたまりませんでしたが、表情に出さぬよう努めました。

(こんなことで、お父様がノーマン様を見限ることがありませんように……
彼が悪く思われないよう、どう言ってお願いすればいいかしら……)


あれこれ考えましたが、どう伝えればいいのか
私にはわかりませんでした。


お父様はお優しくて愛情溢れる御方です。
ですが伯爵家当主としてのお考えは厳しいものをお持ちでした。
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