初恋の沼に沈んだ元婚約者が私に会う為に浮上してきました
それなのに。
今のところ私達の仲は順調だと思っていたのに。
ノーマン様はまた、私には理解出来ないことを
言い出されたのです。
(怒りたいのは私の方よ!
結婚までもう1年もないのに、どうして会えないの!)
言葉にしませんでしたが、不満は表情に出ていたのでしょう。
ノーマン様は我に返ったように『すまない』と
一言謝ってくれました。
そして落ち着こうとされたのか、すっかり冷めてしまった紅茶を一口飲まれました。
「シャーロット
君とは昔からの付き合いだし僕の一番の理解者だと、わかっているよ」
(さっきは怒って俺って言ってたのに、今は僕って言うのね)
「嘘はつきたくないから正直に言うね」
私を怒らせても得策ではないと、判断されたのでしょうか…。
私の左手を取ると甲を撫でられました。
ご機嫌を取ろうとされているようで気分が悪くなりました。
私はノーマン様の手を振り払いたくなりました。
(ノーマン様に触れられたくない!)
そう思ったのは生まれて初めてでした。
部屋に戻りたい。
もう帰っていただきたい。
会えない理由なんて聞きたくない。
それが私の正直な気持ちでした。
「クリスティン様……
クリスティン・マクロス・ランカスター公爵令嬢を覚えている?」
当たり前です。
王国貴族でクリスティン様の事を覚えていない
ような人なんていません。
なぜならクリスティン様は、1年前当時の王太子殿下に婚約破棄されて追放を命じられた……
『悪役令嬢』なのですから。
今のところ私達の仲は順調だと思っていたのに。
ノーマン様はまた、私には理解出来ないことを
言い出されたのです。
(怒りたいのは私の方よ!
結婚までもう1年もないのに、どうして会えないの!)
言葉にしませんでしたが、不満は表情に出ていたのでしょう。
ノーマン様は我に返ったように『すまない』と
一言謝ってくれました。
そして落ち着こうとされたのか、すっかり冷めてしまった紅茶を一口飲まれました。
「シャーロット
君とは昔からの付き合いだし僕の一番の理解者だと、わかっているよ」
(さっきは怒って俺って言ってたのに、今は僕って言うのね)
「嘘はつきたくないから正直に言うね」
私を怒らせても得策ではないと、判断されたのでしょうか…。
私の左手を取ると甲を撫でられました。
ご機嫌を取ろうとされているようで気分が悪くなりました。
私はノーマン様の手を振り払いたくなりました。
(ノーマン様に触れられたくない!)
そう思ったのは生まれて初めてでした。
部屋に戻りたい。
もう帰っていただきたい。
会えない理由なんて聞きたくない。
それが私の正直な気持ちでした。
「クリスティン様……
クリスティン・マクロス・ランカスター公爵令嬢を覚えている?」
当たり前です。
王国貴族でクリスティン様の事を覚えていない
ような人なんていません。
なぜならクリスティン様は、1年前当時の王太子殿下に婚約破棄されて追放を命じられた……
『悪役令嬢』なのですから。