初恋の沼に沈んだ元婚約者が私に会う為に浮上してきました
私は伯爵家のひとり娘でしたので、本来は私の
結婚相手が婿入りし、後継となるはずでした。
そのお相手がブライトン伯爵家三男のノーマン様だったのです。
我がガルテン伯爵家とノーマン様のブライトン伯爵家は、お母様同士が子供の頃からの親友の間柄でしたので、家族ぐるみでお付き合いをしていました。
ですから幼い頃に決まった私とノーマン様の婚約は、政略などではなく自然なものなのだと、私はずっと信じていました。
夜会が始まってすぐ、私はノーマン様に気付きました。
最初はおずおずと。
ですが時間が経つにつれ、彼の視線は遠慮がなくなり、遠くから不躾にこちらをご覧になっていました。
そんなノーマン様に傍らのギリアンも苦笑していました。
「招待状も無く、よく紛れ込めたものですね」
ノーマン様はご実家のブライトン伯爵家から除籍され、既に貴族ではなくなっていると、聞いています。
そんな彼に王宮からの招待状が届くことはありません。
「恐らく富裕層のマダムに連れてきていただいたのでしょうね」
貴族のご夫人やご令嬢が今のノーマン様を相手にされるとは思えません。
最近は富裕平民と呼ばれる方々が増えています。
彼等は低位貴族を凌ぐ財を持ち、王宮にも人脈を広げられているようですので、夜会等にもよく
お顔を出されていました。
多分そちらのクラスのマダムにお願いしたのでしょう。
「礼服のサイズも合っていないようですよ」
「パートナーはお洋服のご用意までは、してくださらなかったのね」
(それほど大切にされているのではないのね)
ノーマン様はマダムの愛人ではないのでしょう。
結婚相手が婿入りし、後継となるはずでした。
そのお相手がブライトン伯爵家三男のノーマン様だったのです。
我がガルテン伯爵家とノーマン様のブライトン伯爵家は、お母様同士が子供の頃からの親友の間柄でしたので、家族ぐるみでお付き合いをしていました。
ですから幼い頃に決まった私とノーマン様の婚約は、政略などではなく自然なものなのだと、私はずっと信じていました。
夜会が始まってすぐ、私はノーマン様に気付きました。
最初はおずおずと。
ですが時間が経つにつれ、彼の視線は遠慮がなくなり、遠くから不躾にこちらをご覧になっていました。
そんなノーマン様に傍らのギリアンも苦笑していました。
「招待状も無く、よく紛れ込めたものですね」
ノーマン様はご実家のブライトン伯爵家から除籍され、既に貴族ではなくなっていると、聞いています。
そんな彼に王宮からの招待状が届くことはありません。
「恐らく富裕層のマダムに連れてきていただいたのでしょうね」
貴族のご夫人やご令嬢が今のノーマン様を相手にされるとは思えません。
最近は富裕平民と呼ばれる方々が増えています。
彼等は低位貴族を凌ぐ財を持ち、王宮にも人脈を広げられているようですので、夜会等にもよく
お顔を出されていました。
多分そちらのクラスのマダムにお願いしたのでしょう。
「礼服のサイズも合っていないようですよ」
「パートナーはお洋服のご用意までは、してくださらなかったのね」
(それほど大切にされているのではないのね)
ノーマン様はマダムの愛人ではないのでしょう。