初恋の沼に沈んだ元婚約者が私に会う為に浮上してきました
話している間に思い出して興奮されたのか、彼女の声の音量が少しだけ大きくなってきていました。
「それからアン・ペロー嬢をお側にお招きに
なって、彼女と新しく婚約すると!」
「まあ!信じられませんわ!」
私が驚いたように、合いの手を入れますと。
「王太子殿下がご入場された時、クリスティン様ではなくてアン・ペロー嬢をエスコートされていたから、何かあるのかしらとは、思っておりましたのよ」
「……」
「でもまさか、真実の愛を貫かれるなんてね」
「……ご婚約を破棄される理由がアン・ペロー嬢なのはわかりますけれど、クリスティン様を国外に追放だなんて、どうしてなのでしょう?」
「そちらの理由もペロー嬢よ
クリスティン様があの方を苛めた、とか何とか仰せでしたけれど、そんなわけございませんのにね?」
ステーシー様が言われた通り、クリスティン様がアン・ペロー嬢を苛めた、などと考えられませんでした。
学園の中庭で、校舎内の廊下で、
寄り添うおふたりとすれ違うクリスティン様の
ご様子はいつもお変わりないように見えました。
「それからアン・ペロー嬢をお側にお招きに
なって、彼女と新しく婚約すると!」
「まあ!信じられませんわ!」
私が驚いたように、合いの手を入れますと。
「王太子殿下がご入場された時、クリスティン様ではなくてアン・ペロー嬢をエスコートされていたから、何かあるのかしらとは、思っておりましたのよ」
「……」
「でもまさか、真実の愛を貫かれるなんてね」
「……ご婚約を破棄される理由がアン・ペロー嬢なのはわかりますけれど、クリスティン様を国外に追放だなんて、どうしてなのでしょう?」
「そちらの理由もペロー嬢よ
クリスティン様があの方を苛めた、とか何とか仰せでしたけれど、そんなわけございませんのにね?」
ステーシー様が言われた通り、クリスティン様がアン・ペロー嬢を苛めた、などと考えられませんでした。
学園の中庭で、校舎内の廊下で、
寄り添うおふたりとすれ違うクリスティン様の
ご様子はいつもお変わりないように見えました。