初恋の沼に沈んだ元婚約者が私に会う為に浮上してきました
「すぐだったのよ!
 伝令がお知らせしたんでしょうね
 すぐに第1がなだれ込んできて、皆様を連れて行ってしまったの!」

王宮警備の第1騎士隊が連れて行ったと、彼女は少しうっとりとした表情で教えてくれました。
純白の隊服の騎士達はご令嬢方の憧れの的なのです。

伝令の知らせにより発覚し、騎士隊により皆様が退場されたのなら、国王陛下はこの断罪劇をご存じではなかったのでしょう。


王命による婚約を、陛下のお許しも得ずに、何故王太子殿下は破棄されたのでしょうか。

この場に立派な肩書きを持つ大人達が居ず、
成人である18歳になられたとしても。
真実の愛を応援する若者達に囲まれていても。

このように一方的に人前で婚約破棄を宣言されてそれが認められると、王太子殿下は本気でお考えになったのでしょうか。

王太子殿下の周りにいらっしゃったペロー嬢も
側近のお三方も優秀な方達でいらっしゃるのに。
事を起こした顛末がどうなるのかと、お考えには
ならなかったのでしょうか。

(もしかしたら、王太子殿下はノーマン様と同じように夢の続きを見たかったの?)


そう考え始めると不安でたまらなくなり、その場に立ちすくんでしまいました。
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