初恋の沼に沈んだ元婚約者が私に会う為に浮上してきました
それでも、俺にはクリスティン様からのお誘いを断る気はなかった。
これは俺が選んだことだ。
これだけは誰にも邪魔はさせない。
大きな荷物を持ち、しばらく留守にすると告げると、家族から突き上げられた。
シャル以外の女の所に行くのだと、気付いたのだろう。
親父は説明しろと怒鳴り、
何処に行くのと、母はおろおろしていた。
ディランには襟元を掴まれた。
『何でお前なんかが……』と、絞り出すように
ディランが言った。
シャルには泣かれたが、申し訳ないという気持ちは持てなかった。
俺からの誘いを当然のように待っていた彼女は、俺の話に愕然としていた。
俺だって本気で夏の間ずっと、なんて思ってなかった。
クリスティン様はふたりでと言ったが、他にも
彼女の友人が別荘を出入りするだろうし、仕事も休めない。
多分、シャルが想像してるより王都に帰る機会は多い。
夏中会わないと口にはしたけど、そこまでシャルを放っておくつもりはなかった。
ちょっとした意趣返しだったのだ。
シャルは来年の結婚に向けて、あれこれ考えて
ノートなんか作って楽しそうにしてたけど、そこには俺の意見など入ってない気がしてた。
相談と言いながらそのノートを見せられても、
彼女のしたいように物事は進むんだろうと、
気持ちは冷めて行くばかりだったのだ。
これは俺が選んだことだ。
これだけは誰にも邪魔はさせない。
大きな荷物を持ち、しばらく留守にすると告げると、家族から突き上げられた。
シャル以外の女の所に行くのだと、気付いたのだろう。
親父は説明しろと怒鳴り、
何処に行くのと、母はおろおろしていた。
ディランには襟元を掴まれた。
『何でお前なんかが……』と、絞り出すように
ディランが言った。
シャルには泣かれたが、申し訳ないという気持ちは持てなかった。
俺からの誘いを当然のように待っていた彼女は、俺の話に愕然としていた。
俺だって本気で夏の間ずっと、なんて思ってなかった。
クリスティン様はふたりでと言ったが、他にも
彼女の友人が別荘を出入りするだろうし、仕事も休めない。
多分、シャルが想像してるより王都に帰る機会は多い。
夏中会わないと口にはしたけど、そこまでシャルを放っておくつもりはなかった。
ちょっとした意趣返しだったのだ。
シャルは来年の結婚に向けて、あれこれ考えて
ノートなんか作って楽しそうにしてたけど、そこには俺の意見など入ってない気がしてた。
相談と言いながらそのノートを見せられても、
彼女のしたいように物事は進むんだろうと、
気持ちは冷めて行くばかりだったのだ。