初恋の沼に沈んだ元婚約者が私に会う為に浮上してきました
彼女のお父様は帝国国軍総師団長をされていらっしゃいます。
未だに友人の出来ない私でしたが、クラスの方達のことは生徒名鑑で確認していました。

キャロライン様はクラスでは女生徒のリーダー格でしたので、声をかけられて私は緊張してしまいました。


「シャーロット様、お話させていただいてもよろしいでしょうか?
 私はキャロラインと申します
 宜しければキャルと呼んでいただけますか?」

「勿論です
 私のことはシャルとお呼び下さいませ」

「まぁ!シャルですって?」

キャロライン様はいささかオーバーな身振りで
両手を胸の辺りで、合わされました。


「キャルにシャルなんて!
 私達、お友達になる運命でしたのよ!」

勝ち気だと思い込んでいた彼女の瞳に、優しい輝きがありました。
何故か、頼りない私を叱りながらも気遣ってくれていた従姉のスカーレットを思い出しました。


その日から私が学院で過ごす日々は変わりました。
何もかもが楽しく、そして良い方向へと変わっていきました。
キャルと居ることで、どんどん友人の輪が広がっていきました。


私は知らなかったのです。
何故キャルが私に声をかけて来てくれたのか……
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