一期一会。−1−
カッコよくて、自慢で。
お兄ちゃんがいれば、世界が私を
嫌いになっても良かった。
それくらい、私にとって大切だった人。
「彩羽、大好きだよ」
…私も、大好きだよ。
唯一無二の、私の家族。
…今はもう、会いたくても、会えない。
だって、嫌われてしまったんだから。
5歳のとき、家族に家を追い出された。
両親からは、生まれたときから嫌われていたから、そんな予感はしていたけれど。
兄は、無理矢理施設へ私を連れていき、
強制的に入所させられた。
嘘だって、思いたかった。
兄だけは、兄だけは、私を愛していると
信じたかったのに…。
たったひとつの希望は、打ち砕かれた。
ー『いやっ、嫌だ!お兄ちゃんっ!
離れないでよぉ!お兄ちゃん!』
施設の先生達に取り押さえられながら、
私は泣き叫んでいた。
とにかく、留まってほしくて。
でも、兄は背を向けて、一切振り向きも
しなかった。
今までに聞いたこともない、冷たい声
が耳を貫く。
ー「お前は俺の妹じゃない。
二度と、近付くな」
お兄ちゃんがいれば、世界が私を
嫌いになっても良かった。
それくらい、私にとって大切だった人。
「彩羽、大好きだよ」
…私も、大好きだよ。
唯一無二の、私の家族。
…今はもう、会いたくても、会えない。
だって、嫌われてしまったんだから。
5歳のとき、家族に家を追い出された。
両親からは、生まれたときから嫌われていたから、そんな予感はしていたけれど。
兄は、無理矢理施設へ私を連れていき、
強制的に入所させられた。
嘘だって、思いたかった。
兄だけは、兄だけは、私を愛していると
信じたかったのに…。
たったひとつの希望は、打ち砕かれた。
ー『いやっ、嫌だ!お兄ちゃんっ!
離れないでよぉ!お兄ちゃん!』
施設の先生達に取り押さえられながら、
私は泣き叫んでいた。
とにかく、留まってほしくて。
でも、兄は背を向けて、一切振り向きも
しなかった。
今までに聞いたこともない、冷たい声
が耳を貫く。
ー「お前は俺の妹じゃない。
二度と、近付くな」