一期一会。−1−
いや、嫌だよ!

また、笑って、「冗談だよ」って言って!

私のこと、お兄ちゃんは、大好きって、
言ってくれてたじゃん。

私、お兄ちゃんがいないと…。

お兄ちゃんにまで、愛されないのなら…。

私、私…コワレテシマウ。

ー『うわぁあああ!』

どんな表情で、それを言ったのかは
わからなかった。

でも、私は号泣しながら、訴え続けた
ことだけは覚えている。

ー『私にはっ、お兄ちゃんしか
 いないよぉお!』

お願いだから、妹じゃないなんて、
言わないで。

最後まで振り向かずに、施設を出ていく
兄に、私は永遠と泣いていた。

兄の裏切りは、絶望のハジマリだった。

それから、誰も信じられなくなって、
私の味方はいなくなった。

お兄ちゃんや家族に捨てられてから、
感情を無くし、荒れ狂った私を
施設にいた人も誰もが嫌った。

別に構わない、だって私は要らない子
なのだから。


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