一期一会。−1−
「俺は、赤城高校一年の白鷺由宇。

 怪我の手当、してやるよ」

『…えっ??』

自己紹介後、白鷺さんはそう言って、
自分の鞄からミニの救急箱を取り出した。

…きゅ、救急箱??

そして、しゃがみ込んでいた態勢から
王子様よろしく片方の膝をついて
跪くのをポカーンと間抜けヅラで見る。

ちょっと突っ込んでもよろしいでしょうか?!

女子力の塊か!

むしろ女子を超えたレベルにあるのでは
なかろうか!

男子高校生(イケメン)が救急箱とか
女子顔負けかよ…っ!負けてるよ!

私は、女子中学生、しかし絆創膏くらい
しか持ってなくってよ!

ん?ちょっと、待て。

その救急箱の中身…。

………フル完備とか終わった…。

うわーん、負けた〜。


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