一期一会。−1−
しかし、痛みが思ったよりヤバくて
足がもぞもぞと僅かに動いてしまう。

痛みで目を潤ませていたら、白鷺さんは
何でかサッと視線を逸した。

そして、さっさと作業を進めていく。

えっ、今私のこと見ないようにしたよね?

もしかして、嫌われてる!?

動こうとしたから?

心の中で魔王様とか悪魔とか言ったから?

くそ、女子かよとか思っちゃったから!?

(このとき、白鷺由宇は照れていた)

ガーンとショックを受けているうちに
絆創膏をペタリと貼り終えた白鷺さん。

はっ、としたら全て終わっていた。

『あ、ありがとうございます』

プロ級の腕前ですね!

「ん、慣れてるから別にいい。

 もう、落ちるなよ」

慣れてるとは??

いつも誰か怪我して手当てしてんの??

何かが引っ掛かったが、後半の嫌味に
顔が引きつる。

落ちないよ!一回やったら学ぶんで!

決して鳩頭じゃないぞ!


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