一期一会。−1−
とっさに目を逸らしたら、ショックを
受けて固まっていた。

そのうちに、作業が早く進んで良かった。

消毒の間、足が動きそうで脅したけど、
効果なかったし、丁度いい。

最初、出会ってすぐは何か暗いオーラに
見えたけど、助けたあとは、何だか
明るくなっていた。

俺の嫌味に、無意識か一瞬ぷくっと、
頬を膨らませて、反抗して呟いた
奥薗彩羽のかわいいこと。

多分、素でやってるんだろうけど。

うわ、これはやられるな。

葵が惚れたのもよく分かる。

葵のお気に入りは最高だな。

元気になったように見えたことを伝えたら
あまり自覚がなかったのかキョトンと
していて。

それが何だかおかしくて、笑いを噛み殺し
ながら背を向けた。

またな、彩羽。

今度も、もっと色々な感情を見せてくれよ?

さて、そうなったら、奥薗彩羽の護衛
らしい葵に話をつけに行こう。


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