一期一会。−1−
でも、だからって、だからってさ!

隠されてたことが、本当に悲しかったよ!

傷付いたし、ショックだったよ!

私、ソウ君の役に立ちたくて、
“王蝶”してるのに。

守られて、ばっかじゃん!

まるで荷物じゃん、馬鹿みたい。

ソウ君…私、本気で怒ったから。

私だって…ソウ君のこと内緒で守るよ。

守られてばっかで、終わらせない。

そんなの、私のプライドが許さない。

後で叱られても、怒られても、ソウ君に
言われる筋合いはないってことね。

それで、おあいこでしょ?

「大丈夫か?」

顔を俯けていたら、白鷺さんが、恐る恐る
話しかけてきて。

ぱっと顔をあげる。

もう悩むのはやめだ、ここからは、
行動あるのみ。

『大丈夫です、質問…何でしたっけ?』

「切替早ぇな」

引くな、引かないでください!

いちいち落ち込んでちゃ、話が前に
進まないからね。

白鷺さんは、引きながらも、ホッとした
ように息を吐いた。


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