一期一会。−1−
おかげで、万事解決。

私の進路も、存在理由も、全て、
ソウ君に捧げるよ。

…って、私、気持ち悪すぎ?

まぁいい、私はもとより馬鹿だし、
無鉄砲だ。

気づかない内に、口角が上がっていた
らしく。

「彩羽ちゃん…何か企んでない?」

氷室さんは、相変わらず勘が鋭くて
困っちゃう。

『…?なんのことですか?』

でも、惚けます、だって死んでもこのことは言えないから。

私だけの、秘密なの。

「あやはかわいーだけじゃないもんね」

可愛くはにかんで、私の手を握る桃李さんにキョトンとする。

“王蝶”のこと、言ってるんだろうけど。

『…はい』

嘘ではないので、頷いた。

かわいいかどうかは、さておき、喧嘩でなら
誰にも負ける気がしない。

それを聞いて、白鷺さんは怪訝な顔をする。

まぁ、見た目地味だしね?

見た目以上になんの個性があんの?って
感じですよね。


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