一期一会。−1−
言いたくないけど、言わないと白鷺さんは
引かないだろうなぁ。

意を決して、一大告白。

『…私、“王蝶”なんです』

その瞬間、店内がしぃんと静まり返る。

いや、私と三人と亮さんしかいないんだけどな?

白鷺さん(※亮さんも)は、
「は?」とUFOでも見たような目で
私を見てくる。

“王蝶”は、どうやら、[美郷]の伝説らしい。

その正体が、私だとは思いもしない
でしょうね…。

桃李さんも、めちゃくちゃビックリしてたし。

青火高校の二人は知っているので、全く
動揺していない。

亮さんに至っては、頭を抱えて動く気配がない。

私と対象的に、初めて動揺を見せた白鷺さんに、くりかえし言って聞かせた。

『私、“王蝶”なんです』

ただし、夜限定だけど…。

「まじかよ…」

『見えませんか?』

「…あぁ」

それは、よかった。

そうじゃなきゃ困りますよ?

よほどショッキングだったらしく、
口を押さえていらっしゃる。

短いこの期間で、3人にバラすなんて
やばくない?命取りでは?

しかも、言いふらされたら、一瞬で
広まりかねないインフルエンサー共にだよ。


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