一期一会。−1−
「そんなに怒るなんて、本気なんだ。
 良いこと知った♪
 またね、彩羽ちゃん」

私に微笑みかけた後、ウサギの人形を
ポケットに入れて、去っていってしまった。

…やっぱり、あのウサギの人形投げ捨てて置くべきだったか。

後悔先に立たず…。

毎回毎回、巻き込まれてしまう、
私の悪運よ…。

そろそろ神社で厄払いしてもらわないとな。

くわばら、くわばら。

嵐が過ぎ去った後、私はフードコートに
連行され、3人から有り難い説教を受けた。

「何で一人で行動するの?」

「危ないでしょ、嘘までついて」

「時雨に気に入られてるんじゃねぇよ」

ガミガミガミガミ。

…嘘、全然有り難くない。

しかし、言い訳しようものなら3人の機嫌を
地に落とすことが目に見えていたので
大人しくしていた。

…だって、ほっとけないしさ。

少しくらいなら、いいかなぁって。

「ん?何か文句でもあるのかな、彩羽
 ちゃん」


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