一期一会。−1−
緩くパーマをかけた茶髪がよく似合う愛。

ついさっき、スマホでウサギの人形が
見つかったことを伝えたら、すっとんで
きたらしい。

ウサギの人形をくれたのは愛だけど…
心配しすぎでしょ。

チャリっと繋がったキーホルダーを
指に吊り下げて、ポケットから取り出して
見せる。

すると、愛はパァッと表情を明るくした。

「良かったぁ」

ニコニコと花みたいに笑う愛が、
あまりにも微笑ましくて、思わず頭を
ワシャワシャと撫でていた。

愛は、「やめてよ〜」と言いながら、
笑っていて。

コイツこそ、ウサギみたいだ。

ぬいぐるみそっくり…って、あ。

…そうだ、どうせだったら愛にも
協力してもらおうかな。

『さっき、葵と会ったよ』

大して苛立ちもなく、平淡に報告した。

「え、葵とっ!?

 うそ、元気だった!?」

葵は、青火高校に行く前に一人暮らしの
ため、家を出ていったから、その後
どうしているかは知らなかった。

…というか、知りたくもなかった。

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