一期一会。−1−
12【競り合い】
「彩羽、予習してきた?」
『…ん?なんの?』
明くる日の学校。
頼人が、ノートを片手に私の席へと
歩いてきた。
頼人とは、色々話すようになった。
私のお気に入りのカフェ“ドルチェ”の
話とか、頼人からは飼っている犬の話とかをやり取りしていた。
うん、予習…?
今まで、一度もした記憶ないけど?
ここにきて、学生の危機か。
「え、数学だよ。
1限にノート回収されるよ」
今は、ホームルーム前。
『…へぇ』
「いや、絶対してないよね、その顔」
目が泳いだ。
あっちこっち、スイミング。
よし、1限サボろう。
回収とか聞いてない…。
(聞き流していた)
「見る?」
頼人は、逃げようとする私に同情して
自分のノートを差し出してきた。
その優しさにより、逃げる気が失せた。
『…いや、いい。
何ページだっけ』
渋々ノートと教科書を取り出す。
頼人は優しいけど、それではスポイルされ
かねない。
『…ん?なんの?』
明くる日の学校。
頼人が、ノートを片手に私の席へと
歩いてきた。
頼人とは、色々話すようになった。
私のお気に入りのカフェ“ドルチェ”の
話とか、頼人からは飼っている犬の話とかをやり取りしていた。
うん、予習…?
今まで、一度もした記憶ないけど?
ここにきて、学生の危機か。
「え、数学だよ。
1限にノート回収されるよ」
今は、ホームルーム前。
『…へぇ』
「いや、絶対してないよね、その顔」
目が泳いだ。
あっちこっち、スイミング。
よし、1限サボろう。
回収とか聞いてない…。
(聞き流していた)
「見る?」
頼人は、逃げようとする私に同情して
自分のノートを差し出してきた。
その優しさにより、逃げる気が失せた。
『…いや、いい。
何ページだっけ』
渋々ノートと教科書を取り出す。
頼人は優しいけど、それではスポイルされ
かねない。