一期一会。−1−
『…葵の友人の赤城高校一年の白鷺由宇
です』
「…あぁ、赤城のトップか。
彩羽は無事なんだな?」
俺のことは知ってるらしい。
『…はい』
無事かと言われれば微妙だが。
泣き疲れた彩羽が寝てしまった事情を
正直に告げたら、日下さんの声はまた
低くなった。
「葵が彩羽泣かせた?」
正確に言うならば、葵の幼なじみが葵に
キスしたせいなんだが、まぁ、葵が
傷つけたも同等だろう。
『はい』
見えない圧が押し潰そうとしてくる。
怖ぇな、この人。
「アイツ、役に立たねぇな。
おい、他に彩羽に手ぇ出した馬鹿は
いるか」
チッと舌打ちをして、言い捨てる。
“他に”が強調されて、ギクリ。
…もれなく俺もだわ。
ゾクリとする低音ボイスに死を覚悟する。
…ここで負けたら、彩羽に近付けなく
なってしまう。
です』
「…あぁ、赤城のトップか。
彩羽は無事なんだな?」
俺のことは知ってるらしい。
『…はい』
無事かと言われれば微妙だが。
泣き疲れた彩羽が寝てしまった事情を
正直に告げたら、日下さんの声はまた
低くなった。
「葵が彩羽泣かせた?」
正確に言うならば、葵の幼なじみが葵に
キスしたせいなんだが、まぁ、葵が
傷つけたも同等だろう。
『はい』
見えない圧が押し潰そうとしてくる。
怖ぇな、この人。
「アイツ、役に立たねぇな。
おい、他に彩羽に手ぇ出した馬鹿は
いるか」
チッと舌打ちをして、言い捨てる。
“他に”が強調されて、ギクリ。
…もれなく俺もだわ。
ゾクリとする低音ボイスに死を覚悟する。
…ここで負けたら、彩羽に近付けなく
なってしまう。