一期一会。−1−
彩羽を目にした瞬間、キリッとした
表情が崩れた。
「あーあー、かわいい顔で眠って…。
危機感皆無かよ…」
俺からバッと彩羽を奪って、何か言って
いる。
心配と不安に満ちたその姿は、
どっからどう見ても。
『お兄さんですか?』
彩羽とは名字も違うけど、よく見たら顔が
似ている。
髪が黒色だったら、そっくりなんじゃね?
ポツリ、と溢した疑問に、日下さんは
「どうしてわかった?」と心底驚いたように
尋ね返してきた。
…え、いや勘だけど?
てか、何でそこで疑問形なわけ?
……もしかして、俺以外、気づいてないの?
…彩羽ですら?
日下さんは、何とも言えなさそうな顔で
俺を見ていた。
彩羽を抱えて車に戻ると、また俺のところへやって来る。
「…俺と彩羽は、確かに兄妹だ。
でも、誰にも、…彩羽にも言ってない。
…俺は、もともと、彩羽を捨てて
傷つけた最低な兄だから…。
バレたら、きっと、嫌われるから
隠してたんだ」
表情が崩れた。
「あーあー、かわいい顔で眠って…。
危機感皆無かよ…」
俺からバッと彩羽を奪って、何か言って
いる。
心配と不安に満ちたその姿は、
どっからどう見ても。
『お兄さんですか?』
彩羽とは名字も違うけど、よく見たら顔が
似ている。
髪が黒色だったら、そっくりなんじゃね?
ポツリ、と溢した疑問に、日下さんは
「どうしてわかった?」と心底驚いたように
尋ね返してきた。
…え、いや勘だけど?
てか、何でそこで疑問形なわけ?
……もしかして、俺以外、気づいてないの?
…彩羽ですら?
日下さんは、何とも言えなさそうな顔で
俺を見ていた。
彩羽を抱えて車に戻ると、また俺のところへやって来る。
「…俺と彩羽は、確かに兄妹だ。
でも、誰にも、…彩羽にも言ってない。
…俺は、もともと、彩羽を捨てて
傷つけた最低な兄だから…。
バレたら、きっと、嫌われるから
隠してたんだ」