一期一会。−1−
「愛、ごめん。
俺は愛とは付き合えない」
翡翠高校までやってきて、私を呼び出した葵は、バッサリ振ってきた。
…やっぱり、そうくるか。
キスで少しは揺さぶれたかと思えば、
葵は揺るがずに、わざわざ人がいるところで頭を下げてくる。
この前、人前でキスした仕返しかな?
…はぁ、こんなの断るしかないじゃない。
観念して、白旗を揚げて降参。
葵ってば、優しいけど、腹黒いよね。
何となく、こうなる予感はしてたけど。
『分かってるよ。
葵は、彩羽ちゃんが大好きだもんね』
諦めたように言ったら、葵は顔を上げた。
あ。なんか、気まずそうな顔してる。
それもそうか、私、あの子の前で
葵にキスしたもんね…。
すっごく傷ついた顔をしていたのが、
今も鮮明に思い出せる。
黒髪が綺麗で、かわいい子。
多分、私とは真逆なタイプなんだろう
なぁ。
泣かせちゃったかな。
あの後、無責任にどっか行っちゃった
から結末は見届けてないけど。
しーくんの為とはいえ、良い子そうな
彼女…彩羽ちゃんを悪意で傷つけた。
俺は愛とは付き合えない」
翡翠高校までやってきて、私を呼び出した葵は、バッサリ振ってきた。
…やっぱり、そうくるか。
キスで少しは揺さぶれたかと思えば、
葵は揺るがずに、わざわざ人がいるところで頭を下げてくる。
この前、人前でキスした仕返しかな?
…はぁ、こんなの断るしかないじゃない。
観念して、白旗を揚げて降参。
葵ってば、優しいけど、腹黒いよね。
何となく、こうなる予感はしてたけど。
『分かってるよ。
葵は、彩羽ちゃんが大好きだもんね』
諦めたように言ったら、葵は顔を上げた。
あ。なんか、気まずそうな顔してる。
それもそうか、私、あの子の前で
葵にキスしたもんね…。
すっごく傷ついた顔をしていたのが、
今も鮮明に思い出せる。
黒髪が綺麗で、かわいい子。
多分、私とは真逆なタイプなんだろう
なぁ。
泣かせちゃったかな。
あの後、無責任にどっか行っちゃった
から結末は見届けてないけど。
しーくんの為とはいえ、良い子そうな
彼女…彩羽ちゃんを悪意で傷つけた。