一期一会。−1−
今更告白したところで、私の“好き”は、
きっと届かない。
本気の恋なんて、遊びの彼には重すぎる
はずだ。
…だから、しーくんに嫌われないために、
振り向いてもらうために、役に立ちたかった。
大切な、しーくんの為なら、何だって
できるって、証明したかった。
…たとえ、それがどれだけ辛くても。
ー…心だけは、あなたのものだから。
ー「わっ、愛!
手ぇ真っ赤じゃん!」
しーくんと出会って、初めての冬。
小学二年生のとき、時間も忘れて外で
雪遊びをしていた私の手は赤くなり、
冷え切って、凍えていた。
すると、通りかかったご近所さんのしーくんが、私の手を自分の手で包み込むと、
ハーッと息を吐きかける。
手袋もなく、素手で。
寒いのに、冷たいのに、厭わずそうして
くれたことが嬉しくって。
ー『しーくん』
ー「これで、温かいでしょ?」
ニコッと陽気に笑うしーくんの、
染み込むような優しさが、
何よりも温かかった。
その後も、持ってたカイロの一つを
私に譲ってくれた。
きっと届かない。
本気の恋なんて、遊びの彼には重すぎる
はずだ。
…だから、しーくんに嫌われないために、
振り向いてもらうために、役に立ちたかった。
大切な、しーくんの為なら、何だって
できるって、証明したかった。
…たとえ、それがどれだけ辛くても。
ー…心だけは、あなたのものだから。
ー「わっ、愛!
手ぇ真っ赤じゃん!」
しーくんと出会って、初めての冬。
小学二年生のとき、時間も忘れて外で
雪遊びをしていた私の手は赤くなり、
冷え切って、凍えていた。
すると、通りかかったご近所さんのしーくんが、私の手を自分の手で包み込むと、
ハーッと息を吐きかける。
手袋もなく、素手で。
寒いのに、冷たいのに、厭わずそうして
くれたことが嬉しくって。
ー『しーくん』
ー「これで、温かいでしょ?」
ニコッと陽気に笑うしーくんの、
染み込むような優しさが、
何よりも温かかった。
その後も、持ってたカイロの一つを
私に譲ってくれた。