一期一会。−1−
学校も行ってないし、いつもは地味めのキャラだから、分かるはずもない。

基本的にコミュ障だから、人と関わらないし。

逆にこの姿が私だって直感でわかる奴が
いるならそいつの目を疑うね。

透視能力が無ければ多分無理。

…でも、私の正体はソウ君と、ほんの数人にしか知られてないからバレるはずないもんね。

私の秘密はソウ君の手で守られてるらしいし。

どうやって隠してくれてるのかは知らない
けど、ソウ君が大丈夫だと言うと何だか
安心できる。

てことで、そうそうバレたりしないはず。

呑気にそう思いながら、秋の中旬の真夜中にくらーい路地裏にスタンバイ。

え?怖くないのかって?

もう馴れたね、喧嘩を始めてから正直
幽霊より人間の方が百倍怖いことを
知った。

怪談話より、凶悪な事件聞いた方が
ゾッとしない?

幽霊は単純に呪ったり脅かしたりじゃん。

でも、人間って、殴ったり、刺したり、
溺れさせたり、色々やるよね。

しかも、緻密な計画まで立てちゃって、
バレなきゃ迷宮入りだよ。

サイコパスって恐ろしいよね!

え、そうでもない?

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