一期一会。−1−
「心配すんな、お前にもし何かあったら、
 再起不能にしてやるよ」

世界一カッコいい笑顔で、恐ろしい言葉を
吐く。

ソウ君ヤクザだもんね…。

海に沈めるとかしないでよ?

やりかねないから怖いんだよ。

どこまでが冗談で本気かがわからない。

爽やかに犯罪の香りがするよね。

でも…三人って、氷室さん、由宇、来宮さんかな?

ここ最近、危険な目にしか遭ってない
三人と対面かぁ。

行きたくはないけど、ケジメはつけなきゃって思う。

いがみ合う、あの二人をどうにかしないとね。

ソウ君がいてくれるなら、安心していこう。

『…行ってくる』

ベッドから降りて、着替えるために部屋を
出た。

ソウ君は、そんな私を「いってらっしゃい」と見送る。

すぐに着替え終わって、私はドルチェに
走った。

何を話せばいいか、わからないけど。

とりあえず、行くだけ行ってみよう。

話は、きっとそれからだ。

愛さんのことといい、問題がそこに在る。


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