一期一会。−1−
パーカーも、ボイスチェンジャーも、
何もしてない制服姿の、至って普通の格好
をして歩いているけど。

何故か、通学路には同じ学校の生徒は
おろか、人がいない。

そう、一人も…って。

『…は?』

じわじわ気付き出した不審感に、
バッと辺りを見渡す。

…誰も、いない?

嘘、今8時くらいだよね?!

何で、通学者も通勤者もいないわけ?!

異常発生の、気配がした。

うわぁ、嫌な予感。

ソウ君の“頑張れよ”が死亡フラグに
思えてきた。

その時、通学路の向こう側から、
数人と思しき柄の悪い男達が走ってきた。

『ん?あれ、は…』

目を凝らして見るに、足取りがおぼつかず
薬物でも使っているようだ。

…んー、最近の報告からすると、
あれは“Drag”か?

…というか、何故朝からこんなところに
いるわけ!

夜じゃなくて、なんで今なの!

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