一期一会。−1−
この声からして、本物だろう。

無意識に口角が上がる。

フッフッフッ、今日も楽しくなりそうだね?

たしか、コイツラパイプでもナイフでも有りな汚い手を使いまくる極悪非道な連中なんだっけ?

プラス、一般人巻き込んで脅したり、殴ったり、金奪ったりするんだっけ?

…ほんっと、最低なクズ共。

潰し甲斐があって何よりだ。

ある程度暗がりに入ってきたのを確認して私はポケットからボイスチェンジャーを
取り出す。さーて、殺ろっか。

『そこのおにーさん達。

僕とちょっと遊ぼーよ』

気配を敢えて出す。

声を変えて、アルトに近い男の声と口調で
話しかけた。

…あ、私は王蝶の時、僕っていってるんだ。

女より男の方が、強そうに見えるから、
ちょっとした小細工をかけています。

「は?何、何か居るの?」

「…てか、パーカーにこの声…まさか」

< 5 / 314 >

この作品をシェア

pagetop