一期一会。−1−
そう思っていたら、ほら。

氷室さんは、目の前に王子様のように、
片足をついて、跪くと私を見上げて
にっこりとキラースマイルして、

「ぜひ俺の姫になってくれない?」

意味不明なことを言う。

まるで、童話の中の世界みたいなふるまい
方で、ドキッとしてしまったのは、
きっと気のせい。

答えは、当たり前に決まっている。

考える意味もなければ、言うまでもない。









『えっと、無理です』








ー…勿論、即、拒否!




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