一期一会。−1−
「はっ、ただのイタズラだろ!」

なんか言ってるけど知ーらない。

テクテクと彼らの数メートル手前に歩いていった私はパーカーの下で妖しく笑う。

…けど、私のパーカーを見て気付く察しのいい奴もいるんだね?

まぁ、別に気付かれようが気付かれまいが
構わないんだが。

突然のことに、ざわついたのも一瞬で
リーダー格らしい男が馬鹿馬鹿しそうに嗤いながら私の方に近付いてきた。

「俺らになんか用か?

気味悪い声しやがって…。
舐めてんなら、ぶっ殺すぞ」

手には良い打撃が与えられそうな鉄パイプが握られていて、余裕そうなオーラが
見て取れる。

まぁ、怖い。

…なーんて、馬鹿なのかなこいつ。

虫並の殺気を私に向けて威嚇してくる男に、私はボイスチェンジャーが取れないようにセットしつつ、にっこり笑って言ってやった。

『お前ら程度の雑魚は喧嘩するまでも
ないんだよ』

お口が悪いのは理解ずみなので、ご容赦を願いたい。

「あぁん!?

 なんだとコノヤロぉお!」

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