一期一会。−1−
…あ、やば、ボーッとしてた。
 
『何でもないよ。

 ソウ君はカッコイイなぁって』

ふふ、と笑みを浮かべて褒め言葉。

「何だよいきなり!

 褒めても何も出ねぇぞ?」

『カルピスおごってー』

本音の代わりに、図々しいお願いをした。
 
「お前なぁ…ったく、いいけど」

うまく誤魔化せたかな?

心の中にしまった、この想いは絶対
ソウ君には教えない。

だって、こんな酷いこと言えないよね。

多分、ソウ君だって失望しちゃう。

それか、きっと哀しい顔をする。

だから、曖昧にぼかすだけ。

私のわがままに顔をしかめながらも
カルピスを頼んでくれるソウ君に感謝。

ごめんね、神経図太くて。

すると、氷室さんが唐突に言う。

「壮太さんと王蝶って、どういう関係
 なんですか?」

…って、ちょっと氷室さん??!

はぐらかしてるそばからそんな質問
しないでよ!

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