一期一会。−1−
あんた達は後で、殺ってあげようと思って
たのに。 

いっぺんに来られたら、私…
加減できなくなるかもよ?

背後に回って攻めようとする二人組の行動を見切って、私は、素早く身を翻す。

そして、足をざっと後方に下げて、
思いっきり遠心力の力を利用して回す。

ドカッと鈍い音がして、奴らのもつ
武器ごと跳ね飛ばした。

「ゔっ!」

「ぐはっ!」

何しろ狭い路地なので、それぞれ壁にぶつかって意識のないまま崩れ落ちた。

あーらら、気ぃ失っちゃった。

しばらくは目覚めないかな…、
かわいそうに。

せめてもう少し待っててくれれば、
ここまで酷くはしなかったんだけど。

…多分、ね。

「う、嘘だろ?

一瞬で吹き飛ばすなんて…」

地面に倒れて動かない仲間?にリーダー格らしい男が肩をガタガタ震わせて呟く。

あはっ、もしかしてびびっちゃった?

でもさ、これくらいのことで怯えてちゃ
この世界では生きていけないよ?

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