一期一会。−1−
あの日、姫に誘って瞬殺された後。

彩羽ちゃんは傷のことは
壮太さんには内緒にしておくと
言ってくれた。

…まぁ、大切な彩羽ちゃんが怪我した
なんて知ったら、俺は間違いなく
フルボッコ確定だっただろう。

生きては帰れない覚悟が要ったことは、
違いない。

ー『え!?傷のこと言わなくていいの?』

ー「…私の自業自得なので」

ー『え、でもそんな傷できたら心配
  されるでしょ?ご両親とかに』

つい、言ってしまったことに、すぐ
後悔した。

俺の言葉に彩羽ちゃんは、切なそうに
眉をひそめていた。

ー「…私を心配してくれる両親は
  いませんから、平気です」

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