一期一会。−1−
突き放すような言い方に、傷つくより
むしろ、悲しく感じた。

平気な、わけがない。

彩羽ちゃんを心配する言葉で、傷つけた。

俺は、地雷を踏んでしまった。

あんな顔、させたくなかったのに。

彼女の無表情が、初めて苦しげに歪んだのを見て、それ以上何も言えなかった。

彩羽ちゃんは、その会話の普通のポーカーフェイスに戻って、学校に行ってしまった
のだけど。

…謎ばかりが増えていくな。

結局、壮太さんにも関係をはぐらかされて
しまったし。

…でも、それくらい、何か大きなことが
二人の中にあるんだろう。

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