一期一会。−1−
「……ー」

『…え?なんて?』

聞き取れなくて、彼女の口元に耳を
寄せる。

すると、次の瞬間には我に返ったらしく
彩羽ちゃんは口を閉ざしてしまった。

…なんて言ったんだろう?

彩羽ちゃんはそっと口を押さえて
目線を下に落としていた。

どうやら、動揺してるらしい。

そんな仕草もかわい…って、俺、
末期じゃないか?!

とんでもないことを口走ろうとしていた。

ふー、まぁ、なんかよくわかんないけど、
さっき…というか出会ったときよりは
仲良くなれたのかな。

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