年上のお姫さま
 私は、人質として遠い国の王子様に嫁いだ。
 小さな国の王女として産まれ、美しい金髪と青い瞳で誰からも美しいと称賛された。
 大事に育てられた。
 きっと素敵な殿方と結婚して幸せになれる、と無邪気に信じていた。
 そんな私が十七の時、私の国が戦争に負けた。
 両親は処刑された。
 兄は、この国に攻め込んでた国の属国になることで国民たちが殺されるのを防いだ。
 そして私は戦利品としてだろうか、その国の二歳になったばかりの王子様の嫁にさせられた。
 これだけ歳が離れていれば、本当に名ばかりの嫁なのだろう。
 仕事もなくただ、王城から出ることも許されず図書館の本を読んで過ごした。
 
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