漆黒の女帝
「……あっ、あなたは何者なんですか?何故、俺の前にこうして現れるんですか?俺が見ていたあの夢は?一体何だったんですか?」
顔を真っ青にしている北斗を見て、女性は「そんなに震えて、本当に可愛い」と口角を上げる。女性の背後から真っ黒な手がゆっくりと現れた。
「私はイザナミノミコト。黄泉の国を支配する者。ほしいものは何でも手に入れ、したいように物事を動かす。私と共に来い」
黄泉の国ーーーそれは死んだ者が行くとされている世界だ。北斗はハハッと乾いた笑みを零す。あの夢はやはりただの夢ではなかった。北斗は黄泉の国を彷徨っていたのだ。そしてーーーこの世のならざる者に魅入られた時点で逃げることなど不可能なのだ。
伸びてきた黒い手が北斗の体を掴む。傷付けないよう優しく、しかし北斗が逃げられないように強く。
「私の夫となり、黄泉の国を共に治めるーーーそれがお前の役目だ」
イザナギはそう言って微笑む。北斗がどれだけ泣き叫ぼうと、無駄なのだ。手は北斗を引き摺り、暗闇の中へと連れ去っていく。
「愛しい人、やっと永遠に過ごせるな」
妖艶なイザナギの笑みに、北斗は体を震わせた。
顔を真っ青にしている北斗を見て、女性は「そんなに震えて、本当に可愛い」と口角を上げる。女性の背後から真っ黒な手がゆっくりと現れた。
「私はイザナミノミコト。黄泉の国を支配する者。ほしいものは何でも手に入れ、したいように物事を動かす。私と共に来い」
黄泉の国ーーーそれは死んだ者が行くとされている世界だ。北斗はハハッと乾いた笑みを零す。あの夢はやはりただの夢ではなかった。北斗は黄泉の国を彷徨っていたのだ。そしてーーーこの世のならざる者に魅入られた時点で逃げることなど不可能なのだ。
伸びてきた黒い手が北斗の体を掴む。傷付けないよう優しく、しかし北斗が逃げられないように強く。
「私の夫となり、黄泉の国を共に治めるーーーそれがお前の役目だ」
イザナギはそう言って微笑む。北斗がどれだけ泣き叫ぼうと、無駄なのだ。手は北斗を引き摺り、暗闇の中へと連れ去っていく。
「愛しい人、やっと永遠に過ごせるな」
妖艶なイザナギの笑みに、北斗は体を震わせた。