最愛の義妹へ。 ~あの夏は、君の過去を知らない~
「…じゃあなんで、今まで交流なかったのさ。母さんに妹がいたとか聞いてないし」
「さぁな、俺も詳しくは聞いてないが」
「瑠々の両親は、あの子が小さいころに亡くなったんだよ」
母さんと一緒に瑠々の部屋まで荷物を運んでいた父さんが、いつの間にか戻ってきていた。
「本当はもっと早くに引き取りたかったんだけど…、
瑠々は両親を失ったショックで入院してね。しばらくは施設にってことになったんだ」
「そういうことか…」