最愛の義妹へ。 ~あの夏は、君の過去を知らない~


「俺、は…。別に何も…。読書くらいしか」

空っぽな奴だと思われるだろうか…。

『じゃあ、私と同じですね。私も読書が好きです』

瑠々は俺にそう見せて、小さく首を振る。

空っぽなんかじゃないと、言われているのだろうか…。

まるで、俺の心の中を呼んだようだ。


「えー、本なんて眠くなるだけじゃんっ」

武はそう言う楓太の頭を、俺越しに叩く。
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