最愛の義妹へ。 ~あの夏は、君の過去を知らない~


両親を亡くしたのは確かに悲しい過去だろう。

でも、もう十年は経つのに。


「そういえば、楓太ももう三年生ねぇ」

「進路を真剣に考えなくちゃだね」

「うげー、めんどくさ」

今年高校三年生になる楓太は、聞きたくなかったというような苦い顔だ。

「大切なことなんだからちゃんと考えろよ」
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