最愛の義妹へ。 ~あの夏は、君の過去を知らない~
過去ー夏sideー
「夏くぅんっ。今夜飲み会あるけど、よかったらどぉ?」
大学の講義が終わった途端、声を掛けられた。
よく俺の隣に座ったり、同じ講義を受けている子だ。
「悪い。俺は不参加で」
「えぇ~。いっつもそれぇ。たまには参加してよぉ」
キッパリ断っても、彼女はめげずに尚も誘って来る。
だが、父さんの仕事の手伝いをするようになって、飲み会に参加する余裕はなくなった。
「いや、悪いけど、もう行かないと。みんなで楽しんで」