最愛の義妹へ。 ~あの夏は、君の過去を知らない~
なるほど…、と急いで紙に書く。
「瑠々ちゃん。
そんなに急がなくても、これからゆっくりみんなのこと知っていけばいいのよ」
その言葉は、香織さんが何度か面会に来てくれたときにも掛けてくれた言葉だった。
早く馴染まなきゃ、家族にならなければ、と、必死になっていた私に、
ゆっくりでいい、これからはずっと一緒にいるのだから、と。
それを思い出し、焦る必要はないと自分に言い聞かせる。
ーーみんなと、ずっと家族でいたいから。