最愛の義妹へ。 ~あの夏は、君の過去を知らない~
瑠々が僕の問いに対する答えを紙に書いているのを最後まで待つことなく、ノートを取り上げる。
「あのさぁ、面倒臭いから喋ってくれない?」
瑠々は僕を見上げながら、ゆっくりと首を横に振る。
「はぁ…、もういいよ。
母さんは出掛けてるんでしょ?
それぐらいすぐに言いなよ」
そう言って、取り上げたノートを放り投げる。
僕はリビングを出て、自分の部屋へ行く。
ベッドに横になって、強制的に眠りにつこうとする。
ーー何故か、閉じた目から涙が流れた。