最愛の義妹へ。 ~あの夏は、君の過去を知らない~


「じゃあ、どうやって会話するんだ?」

武が顎に手を当てて、疑問を口にする。

「いつもノートを持ち歩いてるから、筆談で話すのよ」

「ぇー、めんどくさ」

「楓太、そんなこと言うんじゃない」

父が楓太を叱る。

いつも穏やかな父が怒るのは珍しいことだ。

「…分かったよ、ごめん」
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