最愛の義妹へ。 ~あの夏は、君の過去を知らない~
瑠々side
「じゃあ、瑠々ちゃん。あなたのお部屋に案内するわね」
香織さんが、優しく声をかけてくれる。
私の部屋は、二階の角部屋。
中には天蓋付きのダブルベッドが置かれ、壁には大きなテレビが設置されている。
白いラタンのドレッサーに、それと対になるラタンのスツール。
大きな窓を開けてベランダに出ると、遠くに海が見える。
大企業の社長さんとは聞いてたけど、ここまで立派なお家とは…。
「いつかみんなで海に遊びに行こうね」
香織さんが優しく微笑んでくれる。
ーーその笑みは、私の大事な誰かに似ていた。