最愛の義妹へ。 ~あの夏は、君の過去を知らない~

夏side



「ねぇ、どう思った?あの子」

楓太がクッションを抱き込んで、ふてくされた様子で質問してくる。

「どうって?」

「だからぁ、あの子と一緒に住むのって、ちょっとしんどそうじゃない?」

「そうか?大人しくていい子じゃないか。少なくとも媚を売ってくるような子よりは」

武は冷静に楓太の質問に答える。

「それは…。いや、むしろ媚を売ってくる子の方が扱いやすいんだけどっ」

「お前なぁ」
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