#推しが幸せならOKです@10/15富士見L文庫から書籍化
『あの、お仕事中すみません、もうどこかの芸能事務所に所属されていらっしゃいますか?』
そんな時、映画館のバイト中に、試写会に来たムーンプロダクションの人間にスカウトされた。
『私、芸能事務所ムーンプロダクションの林田《はやしだ》と申します。』
スカウトはこれが初めてなわけではなかったが、周りがどんどん先へ進む中、何もせずにいるのも気が引けて、名刺を受け取った。──それだけだった。
「(……あーミスったな。帰りてえ)」
そして気がつけば、そのムーンなんたらという事務所のマネージャーに引っ張りだされて車に押し込まれている。